串田和美まつもと市民芸術館芸術監督がこだわりの『ファウスト』を茅野市民館で製作、18日から幕を開けました。
魂を悪魔に売って、思いのままに生きようとする実在した人物を描いた『ファウスト』は、ゲーテの戯曲が有名ではありますが、ゲーテが書いたきっかけとなった民間伝承、庶民のあいだで伝わってきた小話のほうをモチーフにつくられたものです。2年前に、まつもと市民芸術館で上演された『ウルファウスト』は50人近い役者さんとつくりあげたアングラ風味の舞台でしたが、サーカス・パフォーマーやミュージシャンが参加した今回の茅野バージョンは、とっても明るく、楽しい作品になっています。
茅野公演バージョンは、フランスとカンボジアから10名プラス2名の日本人サーカスパフォーマー、ミュージシャンも4名をまねき、そこにベテランから若手までの日本人俳優が加わり、毎日ワークショップを繰り返しながら形つくっていきました。お互いがお互いから影響を受け合った稽古場はとても刺激的だったようです。
役者もジャグリングなどの技や肉体表現に挑み、サーカスパフォーマーもせりふや演技を披露します。音楽はもちろん生演奏。みんながいろいろな役を取り換えながら、ファウストの物語を紡いでいきます。
もちろん、さすがサーカス!の見せ場もありましたが、どこまでが演劇、どこまでがサーカス、どこまでが音楽といった境はまるでなく、「みんなで一緒につくった」という表現こそがぴったりの、自由な舞台になっています。『FAUST』という世界観のなかで、すべてが融合されて、串田芸術監督いわく「21世紀のファウスト」が立ち上がってきたのです。
なかでも、現実に引き戻されたファウスト博士の絶望と、その頭上で空中ブランコを美しくこぐパフォーマーとの感情がシンクロするシーンは絶品でした。こんな感動は演劇だけではつくれるものではありません。串田芸術監督が狙ったのはまさにそういう効果なのだと思います。
劇場はお客様の笑顔が、バックステージでは出演者たちの笑顔が広がっていました。
稽古場には舞台スタッフのほか、脚本家の鈴木哲也さん、ドイツ文学者の酒寄進一さんがいるというなんとも贅沢な体制をとり、ああでもないこうでもないと役者陣から出されるアイデアと同時進行で脚本を立ち上げていきました。役者やパフォーマーからの刺激は文芸部のお二人にも届き、台本にいきいきとした鋭気を注ぎ込んだようです。
こんな試行錯誤する稽古場は東京ではまず作りません。日本中探してもここだけだったんじゃないでしょうか。
『FAUST in Chino』は、来年の『FAUST』完成版に向けて、とってもたくさんの夢が詰まった種になったんじゃないかと思います。
公演は本日20日各14時の2回を残すのみ。ぜひ、この新鮮な舞台を楽しんでください。
そうそう、東京からのあずさは、指定席が満席のようです。おきをつけて。
魂を悪魔に売って、思いのままに生きようとする実在した人物を描いた『ファウスト』は、ゲーテの戯曲が有名ではありますが、ゲーテが書いたきっかけとなった民間伝承、庶民のあいだで伝わってきた小話のほうをモチーフにつくられたものです。2年前に、まつもと市民芸術館で上演された『ウルファウスト』は50人近い役者さんとつくりあげたアングラ風味の舞台でしたが、サーカス・パフォーマーやミュージシャンが参加した今回の茅野バージョンは、とっても明るく、楽しい作品になっています。
茅野公演バージョンは、フランスとカンボジアから10名プラス2名の日本人サーカスパフォーマー、ミュージシャンも4名をまねき、そこにベテランから若手までの日本人俳優が加わり、毎日ワークショップを繰り返しながら形つくっていきました。お互いがお互いから影響を受け合った稽古場はとても刺激的だったようです。
役者もジャグリングなどの技や肉体表現に挑み、サーカスパフォーマーもせりふや演技を披露します。音楽はもちろん生演奏。みんながいろいろな役を取り換えながら、ファウストの物語を紡いでいきます。
もちろん、さすがサーカス!の見せ場もありましたが、どこまでが演劇、どこまでがサーカス、どこまでが音楽といった境はまるでなく、「みんなで一緒につくった」という表現こそがぴったりの、自由な舞台になっています。『FAUST』という世界観のなかで、すべてが融合されて、串田芸術監督いわく「21世紀のファウスト」が立ち上がってきたのです。
なかでも、現実に引き戻されたファウスト博士の絶望と、その頭上で空中ブランコを美しくこぐパフォーマーとの感情がシンクロするシーンは絶品でした。こんな感動は演劇だけではつくれるものではありません。串田芸術監督が狙ったのはまさにそういう効果なのだと思います。
劇場はお客様の笑顔が、バックステージでは出演者たちの笑顔が広がっていました。
稽古場には舞台スタッフのほか、脚本家の鈴木哲也さん、ドイツ文学者の酒寄進一さんがいるというなんとも贅沢な体制をとり、ああでもないこうでもないと役者陣から出されるアイデアと同時進行で脚本を立ち上げていきました。役者やパフォーマーからの刺激は文芸部のお二人にも届き、台本にいきいきとした鋭気を注ぎ込んだようです。
こんな試行錯誤する稽古場は東京ではまず作りません。日本中探してもここだけだったんじゃないでしょうか。
『FAUST in Chino』は、来年の『FAUST』完成版に向けて、とってもたくさんの夢が詰まった種になったんじゃないかと思います。
公演は本日20日各14時の2回を残すのみ。ぜひ、この新鮮な舞台を楽しんでください。
そうそう、東京からのあずさは、指定席が満席のようです。おきをつけて。



